担当者から小規模施策のリードへの育成支援をしてみた

担当者から小規模施策のリードへの育成支援をしてみた

Clock Icon2024.05.22

こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

人材の育成はどの会社にとっても大きなテーマです。今回は担当者から小規模施策のリードへのシフトが安定してするまでの育成支援をしたため、支援した内容についてまとめます。

今回の説明範囲について

開発から人事にキャリアチェンジしたメンバーを受け入れ、未経験の状態から一人前の担当者になるまでの立ち上げサポートをマネージャーとして実施しました。その経緯については、以前イベントで発表しました。
今回は、この後続の取り組みとして担当者から小規模施策のリードとして一人前になるまでをサポートしたので、その内容についてまとめます。

対比

サポートの内容を説明する前に、「一人前の担当者」から「小規模施策のリード」になる前後の対比をします。

担当者時代

  • 施策の中の一部のタスクを都度アサイン - 数時間~長くて数週間程度のサイズ
    • 単独のタスクのタスクばらしに慣れている状態
  • 他部門とのミーティングは基本的に単独ではなく私も同席していた
  • 必要に応じてペアワークを実施

小規模施策のリード時代

  • 小規模の施策を丸ごとアサイン - 数ヶ月程度のサイズ
    • 施策に必要な取り組みを分割していくことに少しずつ慣れた状態
  • 他部門とのミーティングは任せられる内容なら単独で進めてもらう
  • ペアワークは最小限で実施
  • 担当者時代との対比としてより多くの業務量を担当することができるようになった
  • 担当者時代との対比として必要なサポートの量が最小限になった
  • チームの方針や個別のタスクに対する認識合わせに要する時間が減った
結果として、大きくお任せできて、自分で進行してもらえる範囲が広がったため、小規模部門のマネージャーとしてプレイング業務も持っている私がプレイヤーとして動ける時間も増加することになりました。
私達はチームのすべての業務はタスク管理をしていますが、大まかに見積もって1.5倍~2倍程度の業務を扱えるチームになりました。

小規模活動のリードに向けたピープルマネジメント

経験の機会を提供する

担当者として十分な動きができることが確認できていたので、年度の切り替えのタイミング(2023年7月)で次のステップとして小規模施策の進行を丸ごとお任せしました。年度初めの目標設定のタイミングで大きめの施策の目的、背景、ゴールに対する認識をあわせ、期中にその取組の進行をどのように扱うかについてはメンバーに委ねました。

判断を委ねる

自分で物事を決め、その結果を自分で受け止める機会を作るために、意思決定の内容についてクリティカルな問題がないなら本人の意思決定を優先しました。結果的にクリティカルな問題が発生しそうな意思決定は無かったので補正する機会もありませんでした。

段階的に補助を減らす

ペアワークやミーティングに同席する量を自走度に合わせて段階的に減らしていきました。私の独断で減らすと言うよりは、メンバーに問いかけつつ問題なさそうなら減らしたり、メンバー本人から自分で進める意思表示があれば任せるような形で進めました。

ふりかえりを継続的に促す

3つの方法でふりかえりを継続的に促し続けました。

1つ目に、私たちのチームはスクラムを用いて仕事をしていて、週に1回チームのふりかえりを実施しています。

ふりかえりをすることで良かった部分や課題を自覚することができます。課題を解決するアクションを取ることができます。これを毎週繰り返すことで、不慣れなリードとしての仕事の進め方が少しずつ改善されやすくなります。

2つ目に毎週の1on1で新たな知識や新たに身に着けたことを毎週確認していました。これにより自分の進展を確認できます。月に1回、成長に関する目標の進展情報の認識合わせをしていました。これによりマインドや能力の成長を確認し、課題のある場所を把握し、次の対策を検討する機会を持つことができました。

3つ目に本人自身による「個人のふりかえり」をすることを促しました。こちらは強制することでもないので、「個人のふりかえり」の価値や重要性は伝えつつ、取り組むかどうかは本人に委ねました。会話をしている感じだと、個人でのふりかえりもしっかりとしてくれていて、自分自身で成長について考え、取り組んでくれていました。

補足

負担の軽減

「経験の機会を提供する」や「段階的に補助を減らす」については、本人の心理的な負担を軽減することになり、安心して取り組むことができたようです。
経験学習 – 具体的経験 | DevelopersIO の記事で紹介していた「適度な難易度の挑戦」にすることができたのでしょう。逆に急激な負荷をかけていたとしたら、パニックゾーンに相当するものになり、過負荷になってしまっていたでしょう。

活動基盤

ここまで挙げた要素以外に、普段から土台となる以下の2つの取り組みがポジティブに影響していると考えています。

スクラムの活用

チームではスクラムを活用しています。常にその恩恵を受けた状態です。

継続的パフォーマンスマネジメント

「リーダー育成」という文脈以前にマネージャーとして継続的パフォーマンスマネジメントをしています。常に成長を促すことができるような形でピープルマネジメントをしています。

まとめ

サポートした内容を整理してみると、ここに記したようなシンプルな内容ですが、ポイントはこれらの活動を途切れなく1年間継続したということです。1日、1週間などの単位では些細な変化かもしれませんが、それを1年継続できれば大きな変化になります。逆に、ふりかえりや改善を全くしていない場合は、同じパフォーマンスで停滞することになります。その差は時間が経つほど膨れ上がります。私はサポートをしていただけなので、本人が継続してくれたからこそ、という部分が大きいところはありますが、大きな効果になりました。

未経験~一人前担当者~小規模リードとステップアップするほどサポートのコストが小さくなります。より大きな成果を出せる上に、サポートコストが減っていきます。

逆に言うのであれば、大きな成果を出せるようになるまでの過程において、初期ほど大きなサポートが必要です。逆にその過程でサポートコストを削ると、成長しにくくなり、結果的に長期的な成果が減り、必要なサポートの総量も大きいままになるということになるでしょう。

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